ナナが死んだ。

ペロの姉妹であるナナが死んだ。
ロクから生まれたから、ナナ。
ハチは生まれなかった。
体格にしては早い死だと思うけれど、、
人間の食べ物を食べていたから仕方ないのかもしれない。
社長さんのところだからいいものが食べれたのだろうな。
幸せだったんだろうな、と思う。

ナナはペロを引き取る際に、最後までどちらを引き取るか悩んだ犬だった。
ナナは兄弟一のやんちゃ、ペロは苛められっ子だった。
私の母はナナが良かったようだけど、私と父がペロを選んだので
ペロを引き取ることになった。
その一年後、社長さんの別荘に行ったときに
ペロとナナが喧嘩をしたんだけど、ペロが勝っちゃった事がある……。
それ以降会っていなかった。
年齢が二桁になったから、そろそろ気をつけないとと思っていたけれど、
こうも早く姉妹の死を聞くことになるとは思っていなかった。

知らせを聞いた後、どうにもペロが不安になって実家に帰ってしまった。
来週はテストだというのに。
でも、ペロはまだ大丈夫なようでよかった。
人の気も知らず、尻尾を振って出迎えてくれた。
珍しく自分から積極的にお腹見せてくれたし、
クリスマスプレゼントもらって喜んでた。
けれど、昔と比べれば明らかに運動量は減り、いつも寝てばかり。
私との散歩の時はないけれど、途中で座り込んでしまうことがあるらしい。
さらに、実は病気が一つ見つかっていたりして、その対処をどうするか検討中だったりする。
自分より早く死ぬとはわかっているけれど、自分が大学を出るまでは生きていて欲しい。
自分が獣医になりたかったのは、ペロのためなんだから。
大学を出て、働こうと思うのも、ペロのためなんだから。
自分が持っている夢といえるかもしれない、唯一のものはペロなんだから。

たかが犬と他の人は言うかもしれない。
けれど、自分にとっては人生をかけるに値する犬なんだ。
ペロを否定するなら、それは自分を否定することだ。

ナナが死んでから、ずっと頭の中がぐちゃぐちゃしている。
何かをずっと思い続けないと、自分がバラバラになってしまう感じ。
ペロといると落ち着く。

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